映像か?デザインか?
映像を作りたい!と思った段階で、作りたい映像がCMやアニメーションであれば、専攻は映像系がいいのかグラフィックデザイン系がいいのか?と悩むこともあるかもしれません。
グラフィックデザインの学科でも映像は作れますし、大学の卒業制作は映像作品ということも珍しいことではないと思います。
では何が違うのか?という話を書いてみようかと思います。
その答えの一端は大学の入試問題と、それに伴う予備校でのトレーニングの違いに表れていると言えます。
グラフィックデザインの入試の多くに「平面構成」というアクリルガッシュを使った課題が出題されますね。これは出題に対していかにわかりやすく、きれいに、インパクトを持って課題に答えるかということが重要です。それは印刷物、ポスターや雑誌などの紙面、を飾る場合に如何に読者の眼に視覚的に訴えることができるか、眼に留まるか、という前提を持った要求です。
対して映像科の入試対策では絵と言葉を使います。なぜ言葉なのかというと「時間」ということに関係があります。映像は映画なら120分ないし90分、テレビのアニメーションなどは30分、CMなら15秒という時間があります。そのなかに出来事を収めていくわけですが、言葉は例えば「昨日彼女にふられて今朝から憂鬱なんだよね」という会話でさえ時間と出来事を内包します。映像が時間を持つメディアであるが故に、そのトレーニングとして言葉を使うことが求められるわけです。
作者の発想をわかりやすく、という意味ではどちらも同じですが、その方法論に違いがあるわけです。CMは15秒という短い時間ですので、グラフィックデザインのトレーニングで培った即効性が有効だったりします。逆に短い時間の中にドラマを作り、シリーズなどで見せる方法は映像的と言えるかもしれません。
また、大学入学後にアニメーションを選択するとして、その他のカリキュラムで何をやるのかということも違います。グラフィックデザインは上記のように印刷メディアと密接です。色彩や構成、タイポグラフィなどは印象的な紙面作りに重要なファクターですし、大学で学ぶことでもあると思います。映像学科の多くでは専門領域の歴史や、映画や写真など他の映像メディア、音響など映像制作にまつわることを学び専門領域の制作に活かします。他に何を学びたいかということも学科選びの基準になります。
僕はもともと予備校でデザイン科に通っていたのでデッサンや構成力の必要性を理解したうえで、それでも日々の課題になにか物足りなさを覚え、映像コースも受講、受験しました。その物足りなさは「時間」を操作する=編集するということと関係してたんだなあと今では思います。映像の予備校での課題を経験して制作に対する考え方が楽になりましたね。とにかく悩んだら相談に来て頂ければと思います!(o)